次世代ウェーハ開発への挑戦

半導体用のシリコンウェーハの厚みは、直径の拡大に伴い、グラフのように推移してきました。200mm以上においては、業界全体で標準化が図られ、200mmウェーハでは厚さ725μm(0.725mm)、300mmでは775μm(0.775mm)とされています。
しかし、この厚みの決定には、科学的、工業的に十分な検討がなされておらず、デバイスプロセスでのリソグラフィ工程においては、チャック形状の微細な凹凸の影響や、FLA(Flash Lamp Anneal)など高速熱処理時の熱変形、さらにそれに伴うスリップ、さらにはウェーハ割れなど、厚みが薄すぎるということによる諸問題が表面化しています。
では、450mmウェーハの厚みはどの様に決定されるべきでしょうか。SUMCOでは、さまざまなシミュレーション、および、試作ウェーハによる実験を通して、ウェーハの厚みと機械的特性について検証を重ねています。

ウェーハの加工プロセスやデバイスへの加工プロセスにおいては、ウェーハを水平にしてハンドリングする必要が多々あります。その際に問題になるのが、ウェーハの自重によるたわみです。
厚み825~1,800μmの450mmウェーハを試作し、さまざまな支持方法を用いた際の自重たわみを測定しました。厚み775μmの300mmウェーハの自重は128gですが、450mmウェーハでは450~670g程度の自重となり、たわみに大きく影響することが予測できます。

グラフでは、ウェーハの最外周を支持した際の自重たわみの測定値を示しています。ウェーハの厚み(自重)によって、たわみ量は大きく変化します。
300mmウェーハ(厚み775μm)と同じたわみ量とするには、450mmでは1,800μm(1.8mm)の厚みが必要となります。

300mmウェーハの出荷の際に現状用いられているFOSB(Front Opening Shipping Box)と同じ支持方法を仮定して、自重たわみの測定値とウェーハ厚みの合計値をプロットすると、ウェーハ厚み1,470μmにおいて、最小となる結果が得られました。

2枚の平らな板(フォーク)の上にウェーハを置き、フォークの間隔とウェーハの厚みの相関を実験してみました。
グラフでの自重たわみの量は、ウェーハ全面での最高部と最低部の差を表しています。

フォーク間隔400mmではウェーハ厚み1,330μmで最小となり、フォーク間隔300mmでは1,060μmで最小となりました。フォーク間隔200mmでは、今回作製したウェーハ厚みの範囲に最小値は見られず、825μm以下で最小値を持つと考えられます。

このように、ウェーハの自重たわみと厚みの合計値は、ウェーハの支持方法により大きく影響を受けます。
またこの数値は、FOSBのウェーハピッチに影響し、ウェーハピッチを広くするとFOSBのサイズと重量がアップしてしまう問題があります。ウェーハ厚みは、このような測定結果を考慮して決定されることが望ましいと考えます。




