Career Path / Technical 先輩のキャリアパス(技術系)

水素添加で結晶欠陥を減少させる技術を開発。
苦労した分、喜びも大きかった

評価・基盤技術部
CAE・基盤技術課 担当課長
杉村 渉 大学院理工学研究科
資源及び材料工学専攻修了
1998年度入社

※ 所属部署、掲載内容は取材当時のものです。

私が入社したのは1998年のこと。この時代は、ハードディスクの磁気ヘッドの素子、リチウムイオン電池に使用されるカーボン粉、さらにシリコンウェーハなど、さまざまな電子材料の評価を担当していました。いわば、電子顕微鏡を使ってミクロな世界を覗く“なんでも屋”です。
2005年技術開発部に異動。当初は半導体ウェーハ用の単結晶シリコン、以降、2007年からはソーラ技術部(現在はソーラー事業からは撤退)で太陽光発電用の多結晶シリコン、2011年には酸化物結晶と、さまざまな結晶製品の改良技術の開発にかかわるいろいろなプロジェクトに参加し、2012年からは評価・基盤技術部で、シリコン単結晶にかかわる技術の開発に携わっています。

6名の若手研究者とチームを組んで研究開発

現在の仕事は、ウェーハ品質の向上に必要な、シリコン単結晶中の酸素濃度を均一化するための単結晶引上工程のプロセス条件を探ること。酸素濃度はシリコン融液の対流挙動と密接な関係があるため、炉内の温度計測によりその対流の挙動を把握し、プロセス条件と結晶酸素濃度との関係を明らかにして、改善の方向性を探っています。研究は、シミュレーションと実験を担当する6名の若手研究者とともにチームで担当。チーム内で議論を交わしながら、より均質なシリコン単結晶を製造するための方法を研究します。

会社での研究を生かし、博士号を取得

もっとも思い出に残っているのは、「微量水素ガスを添加したCZ(チョクラルスキー法)引き上げ技術」の開発。結晶育成中に水素ガスを導入するプロセスの適用は、当社では初めての試みでした。水素は可燃性ガスであることから、操業時の安全性から専門家を交えて慎重に検討。理論計算から安全と理解していても、先入観からくる恐怖から、最初の一歩はヒヤヒヤしたことを覚えています。しかし、当初の狙いだった、水素を添加することで無欠陥結晶のプロセスマージンを拡大する狙いは大成功。それまでの苦労は吹き飛び、すごくうれしかったですね。
そしてこの研究成果を整理し、2013年から会社の制度を使って大学の社会人博士課程に進学。2016年、無事学位を取得することができました。

挑戦の重要性を伝え、若手技術者を育成

シリコン単結晶の製造プロセス改善と並ぶ、私のもう一つの仕事が若手技術者の育成です。そのため、若手研究者を集めて、“結晶”をメインテーマとした勉強会を定期的に実施しています。私は、挑戦せずに撤退することは、技術者としてはもっともダメなことだと思っています。そのため若い頃は、「若気の至り」と周りから言われても、誰もやったことがないプロセスに果敢に挑戦していました。それが成功失敗に関わらず、現在の自分に生きていると感じます。これらの経験も含め、技術開発に必要なスキルやノウハウを若い技術者に伝えていくことも、先輩としての大きな役割です。
将来の夢は、自分の名前が入った商品名、あるいはプロセス技術名を一つでも生み出すこと。それが、自分がシリコン単結晶技術にかかわってきた証であり、SUMCOに私という技術者が在籍した証になると思いますから。

Career Path / Technical

先輩のキャリアパス


Entry

エントリーはこちらよりお願いいたします