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キャリアステップ

技術職のキャリアステップ

技術本部 評価・基盤技術部 製品基盤技術課
柾田 亜由美の場合
2010年度入社。理学研究科 化学専攻修了。情報系工学研究科 システム工学専攻修了。博士(工学)。後輩たちの博士号取得のサポートにも力を注ぐ。自身のさらなる成長のため、海外留学も視野に入れている。
STEP 1

頼れる先輩が海外へ留学。自分で判断を下す立場に。

製造現場実習を終え、シリコンウェーハの特性を把握する評価技術開発を行う部署に配属されたのが2011年。主にスマートフォンや一眼レフカメラなどに実装されている、イメージセンサの性能を支えるシリコンウェーハを担当することになりました。最初の試練が訪れたのは2013年でした。いつも頼りにしていた先輩が、会社の制度を利用してアメリカへ留学。シリコンに不純物が混入していないかを確認する評価装置の高感度化に対する開発などに関して、先輩の意見を仰げなくなりました。自分で判断を下す立場になったとはいえ、経験も浅いため、部署の垣根を超えて相談相手を意識的に増やしていきました。結果、多くの方から知見を吸収でき、自分で判断を下す材料が増え、ジャッジの精度が上がったことを覚えています。

STEP 2

社内論文誌の創刊号に論文を執筆し、学会発表も経験。

少し自信をつけたころ、「SUMCO Journal of Technology」という社内論文誌の創刊が決まりました。社外秘の重要情報を社内共有するための論文誌に寄稿しないかと声を掛けられ、挑戦してみようと思いました。ところが意気込みとは裏腹に、シリコンの評価技術をテーマにした論文執筆は大苦戦。「赤ペン先生」は工学博士でもある降屋 久社長で、当時は専務という立場から「論文は普遍性がないといけない」と、一文一文をチェックしていただき、添削と書き直しを繰り返しました。約半年かけて論文を仕上げた後には、応用物理学会で発表する機会にも恵まれました。「伝えること」を前提にする習慣がつき、実験などに取り組む際、どんな課題があるか、どうすれば品質が上がるのかをより強く意識するようになりました。

STEP 3

会社の支援制度を利用し、働きながら博士号を取得。

一度国際会議に出席した際、「博士号がないのに研究をしているの?」という否定的な空気を感じました。同じ時期に、社会人ドクター取得への支援制度の利用を勧められ、働きながら学ぶことを決意。岡山県立大学大学院で2年間学業に励み、入社10年目のときに、「高感度CMOSイメージセンサ用シリコンウェーハのゲッタリング特性に関する研究」という論文で、博士(工学)の学位を取得。世界的に見ればやはり「博士号」はパスポートのようなものなのか、2020年にフランスで行われる国際学会に講演者として招待されました。博士号の取得と同じ時期に課長補佐になったため、蓄積してきたシリコンの評価技術の知見を活かして、後進の育成にもより力を入れたいと考えています。

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