半導体業界を材料から支えたいと思い入社
大学では半導体のデバイスについて勉強していたため、就職活動当初はデバイス関連のメーカーを検討していました。しかしSUMCOの存在を知って、半導体そのものを作る側ではなく、シリコンウェーハという半導体に欠かせない材料を供給することで、半導体を支えたいと考えるようになりました。私の地元である佐賀で半導体業界に貢献できるということにも魅力を感じて、入社を決めました。
現在はウェーハ製造工程のうち、仕上げ研磨の工程を担当しています。前工程の両面研磨で大きく平坦度を作り込み、仕上げ研磨で表側がより平らになるように整えていきます。研磨はウェーハの平坦性や欠陥数に関わる重要な工程で、そのなかでも欠陥の数を減らす業務を主に担当しています。目には到底見えない小さな傷やゴミが、半導体を作る上では配線の邪魔になってしまうため、研磨することで除去しています。一方で、削ることで欠陥の数を減らせたとしても、平坦度が下がってしまうこともあるため、バランスを取りつつ両立しなければいけない難しさがあります。
SUMCOの良さは、優しい人柄と人材育成体制
実験や研究をする上で意識しているのは、目的を明確にしてから取り組むことです。仮説を立てて実験し、改善点を考察することを繰り返していくなかで、目的通りのデータが出た瞬間はとても嬉しいです。たとえ成功しなかったとしても、新しい発見を得られたり、改善点が明確になったときにはやりがいを感じます。また、実験や研究の中で壁にぶつかってしまい、上司や先輩に相談することもありますが、チーム内には和やかな雰囲気があり、皆さん優しいため質問しやすく助かっています。自チームの方だけではなく、他のチームの方に質問しても嫌な顔をせず、資料まで添えて丁寧に教えてくださいます。こういった優しい人柄や、先輩が後輩を育てていく体制がしっかりしているところがSUMCOの良さだと思います。入社した時期がコロナ禍で不安に思うこともありましたが、皆さんのおかげで安心して業務に取り組むことができました。
SUMCOの仕事は、物理系出身者にも関わり深い
今後も欠陥に関する目標値の達成に向けて取り組むことはもちろん、将来的には技術力で世界一という会社の理念の達成に貢献できる技術者へと成長したいです。そのためには材料系の知識、とりわけシリコンの構造への知識を深めていかなければいけないと感じています。大学時代に学ばなかった知識を得ると同時に、大切にしているのは身に付けた知識を活用することです。実際、物理の知識は大いに役立っていると感じます。例えば研磨工程では、応力などの物理的な考え方が、さらにはナノレベルのゴミを除去する際には電気や吸着、脱離の知識も役に立っています。同じ学部の友人たちは半導体デバイスの分野に就職した人が多いですが、基盤材料分野でも学んだことを十分に活かせると感じています。私は半導体のデバイスの専攻でしたが、素粒子や他の分野の出身でも、SUMCOの中には関わりのある仕事が必ずあります。ぜひ、物理系の学生にも、就職先の選択肢として基盤材料系分野も視野に入れてもらえればと思います。