シリコンウェーハの製造方法

最高水準の環境下で製造されるシリコンウェーハ

シリコンウェーハの製造は、主に3つの工程にわけられます。SUMCOでは、そのすべての工程を最高水準の清浄度を誇るクリーンルーム内で実施。厳密な品質管理のもとで超高純度・超高品質なシリコンウェーハの製造を実現しています。

シリコンウェーハ製造工程の全体図

1.単結晶引上工程

シリコンウェーハの材料となる単結晶インゴットを製造

シリコンウェーハの材料となる単結晶インゴットは、高品質の多結晶シリコンを原料にして製造されています。

  • 単結晶インゴットを製造する「CZ法」の流れ

    当社では、CZ法(Czochralski=チョクラルスキー法)と呼ばれる製造方法によりシリコンウェーハの材料となる単結晶インゴットを製造しています。
    金属不純物の濃度数がppb以下(1ppb=10億分の1)に高純度化された多結晶シリコンを、ホウ酸(B)やリン(P)とともに石英ルツボに入れて、約1420℃で融解させます。ここで加える微量のホウ酸やリンといった不純物が、最終的に完成する半導体の電気抵抗を調整し、その特性を決定します。
    ルツボ内で融解したシリコンの液面に種結晶シリコン棒をつけ、回転させながら引き上げると、種結晶と同じ原子配列をした単結晶インゴットが完成します。これがCZ法の大まかな流れです。

  • CZ法の流れ

ご要望に応じて別方式での製造も

また、お客さまのニーズに応じてCZ法に強力な磁場をかけるMCZ法(Magnetic field applied Czochralski法)や、石英ルツボを用いないことで低酸素濃度の単結晶インゴットを成長させるFZ法(Floating Zone法)を用いる場合もあります。SUMCOは、単結晶インゴットの製造段階からお客さまのご要望にお応えします。

CZ 法または MCZ 法による単結晶シリコン製造プロセスと装置構造図

2.ウェーハ加工工程

ウェーハの高い平坦度と表面清浄度を実現

シリコンウェーハの材料となる単結晶インゴットは、高品質の多結晶シリコンを原料にして製造されています。

ウェーハ加工の5つの工程

  • 01

    切断(スライシング)

    単結晶インゴットを直径が均一になるように外周研削。その後お客さまが希望する抵抗率に応じて、内周刃切断機もしくはワイヤーソーを用いて厚さ1mm程度にスライスし、ウェーハ状にします。

    ワイヤーソーの写真と、ワイヤーソーでの切断イメージの画像
  • 02

    粗研磨(ラッピング)

    ウェーハ両面を平行になるように整えながら、所定の厚さに仕上げるため、アルミナ研磨材で粗研磨(ラッピング)していきます。

    ラッピング装置の写真とラッピング装置の構造図
  • 03

    エッチング

    前工程までにウェーハ表面上についた機械加工によるダメージを取り除くため、化学的なエッチングを行います。

  • 04

    研磨(ポリッシング)

    ウェーハ表面の凹凸をなくし、平坦度の高い鏡面仕上げを行うため、コロイダルシリカ液を用いてメカノケミカル研磨が施されます。

    研磨装置の写真と研磨装置の構造図
  • 05

    洗浄・検査

    洗浄ののち、厳しい検査を経てSUMCOのポリッシュト・ウェーハが完成します。当社で製造した超高品質のポリッシュト・ウェーハは、世界中のお客さまにお使いいただいています。

    ウェーハ洗浄装置、目視検査をしている人、パーティクル測定装置、平坦度測定装置、ポリッシュト・ウェーハの画像

3.特殊加工工程

用途に応じて行われる、ウェーハの特殊加工

当社ではお客さまのご要望に応じて、ポリッシュト・ウェーハをさらに特殊加工し、以下4つのウェーハを製造しています。

用途に応じた4つの特殊加工

  • 01

    エピタキシャル・ウェーハ
    (EW:Epitaxial Wafer)

    ポリッシュト・ウェーハをエピタキシャル炉の中で約1200℃まで加熱。炉内に気化した四塩化珪素(SiCl4)、三塩化シラン(トリクロルシラン、SiHCl3)を流すことで、ウェーハ表面上に単結晶シリコンの膜を気相成長(エピタキシャル成長)させます。結晶の完全性が求められる場合や、抵抗率の異なる多層構造を必要とする場合に対応できる高品質なウェーハです。

    枚葉式エピタキシャル炉の外観写真と構造図。ポリッシュ・ウェーハからエピタキシャル・ウェーハへの製造工程を示す。
  • 02

    アニール・ウェーハ
    (Annealed Wafer)

    ポリッシュト・ウェーハを水素もしくはアルゴン雰囲気中で高温熱処理(アニール処理)。表面の酸素を除去することによって、結晶完全性を高めたウェーハです。

    水素アニール炉の外観写真と構造図。ポリッシュ・ウェーハからアニール処理を経てアニール・ウェーハへの製造工程を示す。
  • 03

    埋込層付エピタキシャル・ウェーハ
    (JIW:Junction Isolated Wafer)

    お客さまの設計に合わせて、露光・イオン注入・熱拡散技術を利用。表面にあらかじめIC用の埋め込み層を形成した後、エピタキシャル成長させたウェーハです。

    拡散炉内の写真と構造図。埋込層付エピタキシャル・ウェーハの製造工程を示す。
  • 04

    SOIウェーハ
    (Silicon-On-Insulator Wafer)

    支持基盤(Handle Wafer)と、半導体デバイスを作り込む活性基板(Active Wafer)のどちらか一方、もしくは両方に酸化膜を形成し、二枚を貼り合わせて熱処理することで結合。その後、活性基板を所定の厚さまで研削・研磨します。

    電気絶縁性の高い酸化膜層をウェーハ内部に形成させることで、半導体デバイスの高集積化、低消費電力化、高速化、高信頼性を実現したウェーハです。必要に応じて、活性層にヒ素(As)やアンチモン(Sb)の拡散層を形成することも可能です。

    SOI ウェーハの製造工程を示す。