シリコンに関するQ&A

シリコンウェーハにまつわる、みなさまからの質問にお答えしています。

  • Qシリコンウェーハって何に使われているんですか?

    Aパソコンや携帯電話、スマートフォン、テレビやエアコンといった家電製品など、シリコンウェーハが使われている製品は、みなさんのすぐ身近にあります。シリコンウェーハは、電子機器の頭脳とも言える「半導体デバイス」の大切な基板材料となっているからです。

    特定の機能に特化したダイオードやトランジスタなどの個別半導体素子から、これらの素子を数センチ角の中に何百万から何千万も組み合わせた集積回路(IC)まで、半導体デバイスの種類はさまざまですが、そのほとんどがシリコンウェーハから作られています。

  • Qそもそも「シリコン」って何のことですか?

    Aシリコン(silicon)は、地球上で酸素に次いで2番目に多く存在している元素です。元素記号は「Si」、日本語では珪素(ケイ素)とも呼ばれています。

  • Q2番目に多い元素だというシリコンですが、見かけた覚えがありません。
    一体どこにあるんでしょうか?

    A実は、私たちの足下にある土や砂、石の主な成分がシリコンなんです。シリコンは酸素と非常に結びつきやすいため、大部分は酸化して白っぽい珪石(ケイ石)の形で存在しています。

  • Qシリコンウェーハの“シリコン”と、シャンプーやゴムなどに使われている“シリコーン”って違うものなんですか?

    Aシリコンウェーハもシリコーンも、元々の原料は同じケイ石ですが、全く違ったものだと考えて下さい。シリコンウェーハに使われているシリコンは、原料の珪石を加工し、純度を99.999999999%(イレブンナイン)にまで高めたもので、ほぼ純粋なシリコンの結晶です。

    一方のシリコーンは、ケイ石を原料とした合成樹脂のことで、高分子有機珪素化合物と呼ばれるものです。シャンプーの他にもゴムやティッシュ、化粧品などに使われています。

  • Q半導体ってどういう性質のものなんですか?

    A物質は、それぞれ電気の流れやすさ(抵抗率)が違います。金属のように電気の流れやすいものは「導体」、ガラスやゴムのような電気が流れないものは「絶縁体」、そしてこのふたつの中間の抵抗率を持つものを「半導体」と呼ぶのです。

    半導体にはシリコンの他にも、ゲルマニウム(Ge)や、ガリウムヒ素(GaAs)などがあります。

  • Q半導体にはいくつか種類があるんですか?

    A半導体は導体と絶縁体の中間の抵抗力を持っていますが、物質自体はほとんど絶縁体と同じ性質です。電気を通す性質にするためには、シリコンウェーハの製造過程でごくわずかの金属原子(不純物)を入れることが必要です。この不純物の種類によって、N型半導体とP型半導体という2種類に分かれます。

    N型半導体は、シリコンウェーハ内に電子が余っている状態にあり、この余った電子(自由電子)が電流を流す役目をします。P型半導体は、逆に電子が足りない状態になっており、正孔というすき間ができます。このすき間を埋めようと電子が移動し、電流が流れるのです。

  • Qそもそも、なぜ半導体にはシリコンが多く使われているんですか?

    A主に、次の4つの理由が挙げられます。

    • 1.地球で2番目に多い元素のため、資源が豊富である
    • 2.不純物を取り除きやすく、高純度化しやすい
    • 3.単結晶化と不純物の量を調整して、抵抗率の制御がしやすい
    • 4.安定した酸化膜ができ、集積化などの加工がしやすい