株主 並びに 投資家の皆様へ
会長メッセージ
株主・投資家の皆様には日頃から格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
当連結会計年度における300mm半導体用シリコンウェーハ市場は、5G化の進展等により通信容量が増大し、データセンター向け需要が拡大したことや、EVと自動運転の普及による車載向け需要の成長などに牽引された結果、第3四半期まではロジック・メモリー向けともに供給能力を上回る需要が継続しました。しかしながら、第4四半期に入り、パソコン・スマホの需要が軟化したことで、全体の需給はバランスし始めました。
また、200mmウェーハ市場につきましては、車載・産業向けで堅調な需要が継続しましたが、150mm以下の小口径ウェーハにつきましては、年度後半から民生向けを中心に調整局面に入りました。
このような環境のもと、当社グループでは「SUMCOビジョン」の実現に向け、顧客の高精度化要求や製品の差別化に対応した技術開発により先端製品の高シェアを維持するとともに、AIを活用した生産性向上により、コスト競争力を強化することで、収益向上にも努めてまいりました。
当連結会計年度における期末配当につきましては、当期における利益水準、将来の見通し、設備投資に係る資金需要および内部留保の状況等を総合的に勘案し、1株当たり45円、年間配当は一株当たり81円、連結配当性向は40.4%と致しました。
今後の300mm半導体用シリコンウェーハ市場は、最終製品のパソコン・スマホ需要が弱くメモリー向けで調整が始まっております。一方ロジック向けも、調整が始まっておりますが顧客ごとの強弱が大きく、一概には申し上げられませんが調整は穏やかで回復も早いと予想しております。一方で車載・産業向けは底堅い需要が継続する見込みです。
200mmウェーハ市場は、スマホ等の需要は弱いものの、車載・産業向けの需要は強いと予想しております。品種によっては調整局面となりますが、強い調整はなく中長期的には拡大基調が見込まれます。
当社グループでは、2021年に決定した新たな建屋・ユーティリティ設備及び製造設備にかかる設備投資を着実に実行するとともに、引き続き強い需要が見込まれる最先端品の技術開発推進、さらにはAIを活用した生産性向上等により、顧客要求に応えていく所存です。
また、近年一層高まってきた地政学的リスク、エネルギーをはじめとした物価の高騰、また各国の金融引き締め政策による世界経済への影響を慎重に注視してまいります。
2022年10月に発表した、三菱マテリアル株式会社の半導体用多結晶シリコン事業の取得は2023年3月31日を予定しております。
本事業取得は、当社シリコンウェ―ハ事業にとって必要不可欠な原材料である半導体用多結晶シリコン及びトリクロロシランの安定調達に資すると共に、原材料から最終製品まで一貫した技術開発を推進することができると考えております。
本事業取得の円滑な推進により、更なる当社グループの企業価値の向上を図ってまいる所存です。
今後とも倍旧のご支援、ご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
代表取締役 会長兼CEO 橋本 眞幸
SUMCOビジョン
当社グループは、全社一丸となってエクセレントカンパニーを目指し、それを実現するために、「SUMCOビジョン」を策定しました。SUMCOビジョンは、次の4つの項目からなっています。

Vision 1
技術で世界一の会社

Vision 2
景気下降局面でも
安定して収益をあげる会社

Vision 3
従業員が活き活きとした
利益マインドの高い会社

Vision 4
海外市場に強い会社