経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

文中の将来に関する事項は、2024年12月末日現在において当社グループが判断したものであります。

1. 会社の経営の基本方針

当社グループは「お客様と株主の期待に応え、従業員に幸せを与え、社会に貢献する、常に世界一のシリコンウェーハメーカーを目指す」という経営理念のもと、半導体デバイスに使用される高品質のシリコンウェーハ製造において、大口径から小口径までカバーする幅広い製品展開力と世界をリードする高い技術力を有し、これらを最大限に活用し安定的な供給体制を構築することにより、社会の発展に貢献してまいります。特に、顧客からの極めて厳しい品質・コスト要求に応える技術力の向上に傾注し、シリコンウェーハの高精度化を進め、各種の半導体の進化をサポートすることで、シリコンウェーハ業界における地位の維持・向上を図るとともに、「SUMCO CSR方針」のもと、お客様、株主の皆様、お取引先の皆様、従業員、そして地球環境を含めた社会全体という、全てのステークホルダーを大事にすることを企業の社会的責任と考え、CSR及びサステナビリティ推進活動に取り組んでまいります。

当社グループは、この基本方針のもと、事業基盤をさらに強化し、事業の持続的成長を目指し、ステークホルダーの負託に応えてまいる所存であります。

2. 目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略

半導体用シリコンウェーハ市場は、短期的な変動要因はあるものの、中長期的にはデータ通信量の増加、生成AI技術の発展、HEV・EVの普及、自動運転の進展、デジタルトランスフォーメーション(DX)等の技術革新による半導体市場の成長とともに拡大していくと予想しております。とりわけ、当社が強みを持つ先端半導体用300mmシリコンウェーハの需要は、今後も継続的に成長することを予想しております。また、200mmウェーハにつきましても、中長期的には車載・パワー系を中心に緩やかに需要が回復するものと予想しておりますが、150mm以下の小口径ウェーハ需要については将来的には縮小していくものと予想しております。

このような環境の中、主力製品である300mmウェーハについては、AIの急激な伸長に関連する需要に対応するための技術開発、近代化投資に注力してまいります。また、その中で需要の回復が遅れているレガシー品の製造設備に関しても、経済合理性を充分に検討のうえ、鋭意、近代化を推進していく所存であります。

200mm以下のウェーハについては、市場環境に見合った適正な生産体制の再構築を図ってまいります。

なお、半導体用シリコンウェーハは市場環境の変化が大きい事業分野に位置しているため、コスト競争力を強化し引き続き収益の改善に努めるとともに、需要環境の変化に応じて迅速かつ的確に経営資源を最適化できる企業体質の構築を図ってまいります。

3. 経営環境及び対処すべき課題

足許の半導体用300mmシリコンウェーハ市場は、強いAI需要に牽引され、データセンター向けを中心とする先端品については好調に推移しております。一方で、先端品以外は顧客の在庫調整が続いており、回復には時間がかかる見通しです。全体としては総じて緩やかな回復を続けてきております。また、200mm以下シリコンウェーハ市場については、引き続き最終製品の需要が弱く、低調な出荷が続いております。

このような環境のもと、当社グループでは引き続き「SUMCOビジョン」の実現に向け、技術革新が加速する中で、既存工場の製造設備の近代化を迅速に進め、拡大が見込まれる300mm先端品の供給力強化を推進するとともに、小径品の生産体制再編やAIの活用による生産性改善など、収益確保の取り組みを強化してまいります。

また、地政学的リスクや各国の政策が市場環境へ与える影響については引き続き注視し、リスクの最小化に努めてまいります。

加えて、当社グループは社会課題の解決と持続的な企業価値の向上に向けて重点的に取り組む課題をマテリアリティ(重要課題)として特定し、サステナビリティに関する取組みを進めております。女性活躍推進やカーボンニュートラル、人材育成等についての中長期的な目標の達成に向け、さらに活動を加速してまいります。

<SUMCOビジョン>

  • 技術で世界一の会社
  • 景気下降局面でも安定して収益をあげる会社
  • 従業員が活き活きとした利益マインドの高い会社
  • 海外市場に強い会社