環境マネジメント

取り組む理由

省エネルギー化への取り組み、温室効果ガスの排出抑制、廃棄物の排出量削減など、企業の事業活動における環境負荷の低減は、地球環境の維持・保全のための喫緊の課題です。
SUMCOグループは、かけがえのない地球環境を次世代に引き継ぐため、環境マネジメントシステムを構築し、すべての工場でISO14001の認証を取得して環境に配慮した取り組みを行っています。

SUMCO 環境基本方針

1. 環境基本理念

私たちは、半導体用の高品質なシリコンウェーハ及び石英ルツボの製造メーカとして、このかけがえのない地球環境を次世代に引き継ぐために、次の通り行動指針を定め、環境保全活動に自主的かつ継続的に取り組みます。

2. 環境行動指針

  1. 事業活動を通じ、次の項目を重点課題として活動を推進します。
    1. (1)事業活動における電力などの省エネルギー活動を推進し、温室効果ガスの排出抑制に努めます。
    2. (2)廃棄物の排出量削減及び再利用、リサイクルの拡大に努めます。
    3. (3)事業活動にて使用する用水の削減及びリサイクルに努めます。
    4. (4)事業活動にて使用する化学物質の削減に努めます。
    5. (5)有害な化学物質及び廃棄物の取扱管理を徹底し、環境リスクの低減に努めます。
  2. 環境関連の法規制、条例及びその他の同意した要求事項を順守します。
  3. 事業活動全般において汚染の予防を図り、地球環境保全及び地域との共生に努めます。
  4. サプライヤーと共にグリーン調達を推進し、環境負荷の低減に努めます。
  5. 環境目標を定め、定期的にこれを見直すことにより、環境マネジメントシステムの継続的改善を推進します。
  6. 生物多様性への配慮とその保全に努めます。

2021年5月1日

環境管理体制

取締役会メンバーである環境役員のもと、環境管理責任者およびサイト環境責任者を配置し、それぞれの役割、責任および権限を定めて環境管理体制を構築しています。また、環境管理委員会、サイト環境管理委員会を定期的に開催し、指示の徹底および情報の共有を図っています。環境役員は、気候変動問題に関する当社最高責任者として総括的な責任と権限を有しており、環境管理委員会を主催し、気候変動問題の取り組み状況を管理しています。

環境管理体制図

環境管理体制図

気候変動への対応(カーボンニュートラル)

気候変動への対応は、SDGsにおける目標の1つであり、経済成長と環境悪化の断絶が強く求められています。成長を続ける半導体産業を支えるSUMCOグループとしましても、持続可能な社会の実現に向けて、2021年9月、Scope1+2を対象としてカーボンニュートラルに向けた目標を設定し、2024年2月にはSBT認証取得を目指し、SBTの2.0℃シナリオから1.5℃シナリオに準拠させる目標の変更を行いました。SUMCOグループでは引き続き目標の対象範囲拡大(Scope3排出削減目標策定・海外拠点の包含)を検討しております。

目標年 2030年
(中期目標)
2050年
(長期目標)
目標 2022年比29%減(年4.2%減)
[SBT (※1)の1.5℃シナリオに準拠]
100%減(カーボンニュートラル)
[日本政府の2050年カーボンニュートラル宣言に準拠]
施策(案) 継続的な省エネ活動
再生可能エネルギーの更なる導入(太陽光発電 等)
非化石電力導入(Jクレジット、非化石証書) 等
  • (※1)Science Based Targets
  •  パリ協定が求める水準と整合した企業が設定する温室効果ガス排出削減目標

環境目標

SUMCOグループ(国内)では、環境基本方針と定期的に実施する環境影響評価結果に基づき、全ての拠点で環境目標を設定しています。この目標に従い、各サイトでは環境負荷(CO2排出量、化学物質使用量、産業廃棄物排出量、用水使用量)の削減に取り組んでいます。また、半期ごとに環境管理委員会で実績報告とレビューを行い、必要に応じて環境目標を見直しています。
環境目標は、環境負荷の排出量・使用量の前年実績をベンチマーク(BM)とし、単年毎の削減取り組みによる削減量の割合で示されています。

環境目標(2023年度~2026年度)と2023年度実績

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BM 2023年度 2024年度 2025年度 2026年度
目標 実績 目標 目標 目標
CO2排出量の削減
Scope1+2
前年実績 0.7% 1.0% 1.1% 1.1% 1.1%
化学物質使用量の削減 2.1% 2.8% 3.1% 3.1% 3.1%
産業廃棄物排出量の削減
(有害廃棄物※1排出量の削減)
4.4%
(0.09%)
6.9%
(0.12%)
10.2%
(0.2%)
10.2%
(0.2%)
10.2%
(0.2%)
用水使用量の削減 0.6% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4%
  • 2023年度実績は、CO2排出量の削減、化学物質使用量の削減、産業廃棄物排出量の削減の各目標において、目標を上回る結果となりました。特に産業廃棄物排出量の削減目標に関しては、廃油(スラリー廃液)の有価物化が大きく削減に貢献しました。
  • 2024年度のCO2排出量の削減、化学物質使用量の削減、産業廃棄物排出量の削減目標は、設備の老朽化更新や産業廃棄物の有価物化の更なる推進を行うことから、いずれも前年度を上回る目標値となっています。用水使用量の削減目標に関しては、増産立上げに伴い用水使用量の増加が見込まれる一方で、新規リサイクル設備の立上げが完了していないことから前年度を下回る目標値となっています。
  • 半期ごとに実績を評価し、次年度以降の環境目標は、各事業所での水平展開項目を精査し設定しております。
  • ※1有害廃棄物の定義は、日本の廃棄物処理法で定める「特別管理産業廃棄物」としております。
拠点毎の削減目標(国内9製造拠点)

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サイト BM 2023年度
CO2排出量の削減 化学物質使用量の削減 産業廃棄物排出量の削減 用水使用量の削減
目標 実績 目標 実績 目標 実績 目標 実績
九州事業所(伊万里・長浜) 前年実績 1.0% 1.5% 0.4% 0.5% 4.9% 7.2% 0.2% 0.2%
九州事業所(伊万里・久原) 0.7% 1.1% 6.5% 8.9% 8.9% 14.3% 0.04% 0.04%
九州事業所(佐賀) 0.2% 0.2% 5.7% 7.7% 0.2% 0.2% 0.2% 0.2%
米沢工場 0.3% 0.5% 0.7% 0.8% 0.003% 0.4% 0.001% 0.1%
千歳工場 0.3% 0.3% 0.1% 0.1% 16.4% 34.9% 0.1% 0.1%
JSQ事業部 0.3% 0.8% 0.04% 0.04% 2.3% 3.0% 0.6% 1.8%
SUMCOテクノロジー(株)野田工場 0.7% 0.7% 0.05% 0.05% 0.0% 0.0% 1.5% 1.5%
SUMCO TECHXIV(株)長崎工場 1.0% 1.6% 0.06% 0.05% 0.2% 0.1% 2.1% 1.1%
SUMCO TECHXIV(株)宮崎工場 0.3% 0.4% 0.03% 0.03% 0.0% 0.0% 0.2% 0.2%
0.7% 1.0% 2.1% 2.8% 4.4% 6.9% 0.6% 0.4%
  • CO2排出量の削減については、冷凍機の更新等で電力使用量の削減に取り組んでいます。
  • 化学物質使用量の削減については、排水処理の薬品変更等に取り組んでいます。
  • 産業廃棄物排出量の削減については、廃油(スラリー廃液)の有価物化等に取り組んでいます。
  • 用水使用量の削減については、現場で使用された純水の回収率向上や、ブロー水量の適正化等に取組んでいます。

環境関連リスクのマネジメント

SUMCOグループ(国内)では、「リスク管理基本規定」において気候関連を含む環境に関連するリスクを特定し、BSC(Business Security Committee)及び上述の環境管理体制の下で、環境汚染や地球温暖化による異常気象などのリスクに対する取り組みについての計画を策定・実行し、その結果を環境役員に報告するとともにBSCにも報告し、経営層のレビューを受けています。

環境教育

お取引先への環境基本方針と環境事故予防の教育・トレーニング

SUMCOグループ(国内)では、化学物質等の納入各社および産業廃棄物引取り各社を対象として、当社の環境基本方針を理解していただくとともに、環境事故予防・法令遵守等の教育を実施しています。
2023年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、感染防止の観点から、オンラインでの資料配布による教育を実施しました。教育の実施結果については、各社より教育記録の提出を受け、理解度の確認を行っています。

具体的内容

  1. 車両からの燃料、オイル等の漏洩点検実施の依頼
  2. 納入・引取り時の当社担当者の立会いと指示の遵守
  3. 産廃車両からの汚泥・廃液等の落下を防止するための重点点検の依頼
  4. 過去に発生した社内環境事故事例の紹介

環境会計

SUMCOグループ(国内)では「環境会計ガイドライン(2005年版)」に基づき、当社国内グループの2023年1月~2023年12月における結果を集約しました。

環境保全コスト

(百万円/年)
投資額 1,093
費用額※1 4,727
  • ※1「社内人件費」、「減価償却費」、「運用に関わるエネルギー(電力、燃料、水等)費」は含めていない

環境保全効果、環境保全対策に伴う経済効果

項目(単位) 環境保全効果
(2022年-2023年)※2
経済効果
(百万円)※3
電気使用量(GWh) 55 236
燃料使用量(重油換算kL) ▲657
水使用量(Mm3 ▲1.2
化学物質使用量(t) ▲104
産業廃棄物排出量(t) 382
  • ※2▲(マイナス)効果は、生産量の増加や、売上に寄与しない試作などにより、環境負荷削減効果以上の増加があった事を示す
  • ※3経済効果の算出は、当社独自の推定方法による

環境監査

SUMCOグループ(国内・海外)では、社内監査員による内部環境監査、外部審査機関による環境マネジメントシステム審査を実施しています。

内部環境監査

SUMCOグループ(国内・海外)では、環境マネジメントシステムの対象となる全組織に対して社内監査員による監査を毎年実施しています。監査の結果については環境役員へ報告を行い、翌年の活動に反映し、環境マネジメントシステムを継続的に改善しています。

環境マネジメントシステム審査

SUMCOグループ(国内・海外)では、外部の審査機関による毎年の定期審査および3年ごとの更新審査を実施しています。2023年の審査では不適合の検出はありませんでした。

環境関連法規制の遵守

SUMCOグループ(国内・海外)は、法規制および協定で要求されている事項を特定し、遵守確認を実施しています。2023年は法逸脱の検出はありませんでした。
また、海外の化学物質規制(RoHS指令やREACH規則など)も遵守しています。

環境関連法規制遵守状況 SUMCOグループ(国内)

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5年前
(2019年)
4年前
(2020年)
3年前
(2021年)
2年前
(2022年)
昨年
(2023年)
違反件数 0 0 0 0 0
罰金額[円] 0 0 0 0 0

土壌・地下水汚染対策状況

地下水汚染物質累積回収量
グラフグラフ

SUMCOグループ(国内)では、全ての事業所で土壌および地下水の調査を実施しています。
野田地区では、2005年に実施した自主調査において、揮発性有機化合物、およびふっ素の土壌・地下水環境基準値の超過が確認され、関係先と協議しながら対策を進めてきました。現在は、敷地境界付近に設置した揚水井戸により、汚染物質の拡散防止と回収に取り組んでいます。

SUMCOグループ(国内)で2023年度に新たに発生した用水・排水に係る不適合事例 (Incident) はありませんでした。

ISO 14001 マネジメントシステム登録証