コーポレート・ガバナンス

取り組む理由

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現することで、株主からの負託に応えるとともに、株主以外のステークホルダーとも良好な関係を構築・維持していくことが、経営上の重要課題であると認識しています。このような認識に基づき、迅速な経営意思決定と業務執行における透明性の確保を図るべく、取締役会の監査・監督機能の強化、取締役の職務執行の効率性の確保、および内部統制の充実等をはじめとするコーポレート・ガバナンスに関わる諸施策に取り組んでいます。

コーポレート・ガバナンス体制に関する考え方

当社は、監査等委員会設置会社制度を採用しています。この制度の採用により、取締役会において議決権を持つ監査等委員である取締役が業務執行を監督することで、監査・監督機能の実効性が向上するとともに、内部監査部門と連携した監査の実施により内部統制の実効性が向上しました。

コーポレート・ガバナンス体制図

コーポレート・ガバナンス体制図

取締役会

当社の取締役会は、各担当業務における業績およびマネジメント能力に秀でた社内取締役と、専門的な知識および経験の豊富な社外取締役で構成することにより、取締役会全体としての知識、経験、能力のバランスおよび多様性を確保するという基本方針に基づき、取締役(監査等委員である取締役を除く。)6名(うち1名は独立社外取締役)、および監査等委員である取締役6名(うち5名は独立社外取締役)で構成されています。
当社の取締役会は、法令、定款および取締役会規則に基づき、経営戦略、経営計画、その他経営に関する重要な事項の決定を行い、各取締役から職務の執行状況の報告を受け、コンプライアンス、内部統制やリスク管理の運用状況、関係会社の重要な業務執行の監督を行うとともに、独立社外取締役も参加した自由な意見交換のもとで適切に会社の業績等の評価を行い、その評価を経営幹部の人事に反映しています。
また、当社は、決算等に関する事項、経営計画に関する事項のほか、重要な業務執行については、独立社外取締役を含めた取締役会で十分議論を行ったうえで決定することを基本方針としております。そのため、重要な業務執行の決定を取締役に委任できる旨を定款に規定していません。
継続的にコーポレート・ガバナンスの実効性向上を図るため、毎年、取締役会の実効性評価を実施しています。
2023年度は、取締役会を計16回開催し、経営に関する重要事項をはじめ、前年度に実施した取締役会の実効性評価で抽出された課題への対応や、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬方針、決定方法および個別の報酬額について検討致しました。



取締役

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役職 氏名 各取締役が備えるスキル(知識・経験・能力等)
企業
経営
財務・
会計
法務
コンプライアンス
営業
マーケティング
国際性
グローバル
技術
製造
IT
人事マネジメント
人材開発
取締役※1
取締役会議長
橋本 眞幸
取締役※1 阿波 俊弘
取締役※1 龍田 次郎
取締役※1 窪添 伸一
取締役 加藤 健夫
取締役※2 加藤 茜愛
取締役
常勤監査等委員
藤井 淳郎
取締役※2
監査等委員
田中 等
取締役※2
監査等委員
三冨 正博
取締役※2
監査等委員
太田 信一郎
取締役※2
監査等委員
須江 雅彦
取締役※2
監査等委員
Amy Shigemi Hatta
  • ※1印を付した取締役は代表取締役です。
  • ※2印を付した取締役は独立社外取締役です。

独立社外取締役

当社は、社外取締役として、人財育成や組織運営に関する専門的知見および企業経営に関する経験を有する者、弁護士、公認会計士であり財務・会計に関する相当程度の知識を持つ経営コンサルタント、行政分野における職務を通じて培われた幅広い経験・知見および長年にわたる企業経営に関する経験を有する者、ならびに行政および教育分野における職務を通じて培われたデータサイエンス等に関する専門的知見・経験を有する者、ならびに年金運用機関および機関投資家における職務を通じて培われた資本市場に関する専門的知見・経験を有する者の6名を選任しています。なお各社外取締役は、東京証券取引所の独立役員の独立性の基準に基づいて定める当社の「独立性の基準」を満たし、一般株主との間で利益相反が生ずるおそれがないと認められる者であることを確認しています。
各独立社外取締役は、SUMCOグループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、経営に関する重要事項について自らの知見に基づき助言を行っています。また、少数株主をはじめとするステークホルダーの皆様の視点に立って経営の監督を行い、取締役候補者の選任その他取締役会における当社の重要な意思決定に参加し、取締役会、経営陣等の業務執行および当社と経営陣等の間の利益相反を監督します。

監査等委員会

当社の監査等委員会は、監査等委員である取締役6名(うち過半数の5名は独立社外取締役)で構成されています。監査等委員会の活動の実効性を確保するため、監査等委員の互選により常勤の監査等委員を置くとともに、監査等委員のうち最低1名は、財務・会計に関する相当程度の知見を有する者とするよう努めることを基本方針としており、公認会計士でもある三冨正博氏を監査等委員に選任しています。また当社は、監査等委員会の活動を補助し監査の円滑な遂行を支援するため「監査等委員会室」を設置し、スタッフを配置しています。
監査等委員会は、法令に基づく調査権限を行使するとともに、法令・定款等の遵守状況の点検・確認、および財務報告に係る内部統制を含めた内部統制システムの整備・運用状況等の監視等を通じて、取締役の職務の執行が法令および定款に適合し、適正に遂行されているかを監査します。

指名・報酬委員会

当社は、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図るため、取締役会の任意の諮問機関として、代表取締役1名(橋本取締役)および独立社外取締役3名(田中取締役、三冨取締役、太田取締役)を構成員とする指名・報酬委員会を設置しております。
指名・報酬委員会は、当社の取締役候補者および執行役員の選任プロセス、資質および指名理由ならびに取締役(監査等委員である取締役を除く。)および執行役員の報酬体系等に関して、取締役会から諮問を受けて、ジェンダー等の多様性や専門的知識・経験の観点を含め、その適切性等について検討し、会社の業績等の評価も踏まえ、答申を行います。取締役会は、指名・報酬委員会の答申を得て、取締役候補者および執行役員の指名ならびに取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等の決定を行います。
2023年度は、指名・報酬委員会を計3回開催し、全委員が3回すべてに出席しております。主な活動内容は以下のとおりです。

  • 取締役候補者の選任および執行役員の人事に関する審議
  • 取締役(監査等委員である取締役を除く。)および執行役員の報酬制度に関する審議
  • 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個別の報酬額に関する審議

2023年度 取締役会・監査等委員会開催実績

取締役会
氏名 出席回数/開催回数(回) 出席率
橋本 眞幸 16/16 100%
瀧井 道治 16/16 100%
阿波 俊弘 16/16 100%
龍田 次郎 16/16 100%
加藤 茜愛 16/16 100%
井上 文夫 16/16 100%
田中 等 16/16 100%
三冨 正博 16/16 100%
太田 信一郎 16/16 100%
須江 雅彦 16/16 100%
監査等委員会
氏名 出席回数/開催回数(回) 出席率
井上 文夫 13/13 100%
田中 等 13/13 100%
三冨 正博 13/13 100%
太田 信一郎 13/13 100%
須江 雅彦 13/13 100%
  • 印を付した取締役は独立社外取締役です。

役員報酬

役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針に係る事項

報酬方針の内容

当社は業務執行取締役の報酬については、株主と利益・リスクを共有し、業績向上と中長期的な企業価値向上への貢献意欲を高めることを目的に、株主総会において決議された報酬の総額の範囲内で、各々の役位に応じた、基準報酬、短期業績に連動した業績連動型金銭報酬、中長期的な企業価値と連動した業績連動型株式報酬で構成することを基本方針としております。
社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は、監査業務や業務執行の監督等の職務の適正性を確保する観点から固定報酬のみの基準報酬としております。監査等委員である取締役の報酬については、株主総会において決議された報酬の総額の範囲内で、それぞれの監査等委員の役割・職務の内容を勘案し、常勤および非常勤を区別のうえ、監査等委員の協議により定めております。
なお、2016年3月29日開催の第17期定時株主総会において、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬限度額は年額460百万円以内(うち社外取締役の報酬額は固定報酬のみの基準報酬で年額50百万円以内。但し、使用人分給与は含まない。)、監査等委員である取締役の報酬限度額は年額110百万円以内と決議されています。また、2023年3月29日開催の第24期定時株主総会において、当社の業務執行取締役を対象に、業績連動型株式報酬制度を導入することについて決議されています。本株式報酬制度には、マルス制度およびクローバック制度を含みます。
業務執行取締役の報酬総額に占める固定報酬(基準報酬の内、業績によって減額されることのない報酬)の比率は、2023年度の実績値を適用した場合、役位により20%~30%程度となる見込みです。
各報酬制度の概要は以下のとおりです。

  1. 基準報酬(金銭報酬)
    取締役の基準報酬は、原則として、役位ごとに定めた一定の金額を毎月現金で支給します。但し、業務執行取締役については、親会社株主に帰属する当期純損失を計上した場合、役位ごとに設定された固定報酬の額まで、損失額に応じて段階的に減額します。
  2. 業績連動型金銭報酬
    業務執行取締役については、半期ごとの親会社株主に帰属する当期純利益を指標とすることが適当と判断し、算式に従って役位ごとの係数を乗じた業績連動型金銭報酬を毎年支給致します。但し、親会社株主に帰属する当期純利益等が取締役会で定める一定の基準を満たさない場合には、業績連動型金銭報酬は支給しないものとします。
    なお、2023年度の業務執行取締役の業績連動型金銭報酬に係る指標の実績は、62,154百万円となりました。(補助金収入(税引後金額1,730百万円)を除いて算出)
  3. 業績連動型株式報酬
    当社の業績連動型株式報酬制度は、当社が金銭を拠出することにより設定する信託が当社株式を取得し、当社から各業務執行取締役に付与されるポイントの数に相当する数の当社株式が、本信託を通じて各業務執行取締役に対して交付される、という仕組みの株式報酬制度です。

その概要は以下のとおりです。

a. 本株式報酬制度の対象者 業務執行取締役
b. 対象期間 2023年12月末日で終了する事業年度から
2025年12月末日で終了する事業年度まで
(取締役会の決議で3年以内の期間で延長が可能)
c. b.の対象期間において、a.の対象者に交付するために必要な当社株式の取得資金として当社が拠出する金銭の上限 合計675百万円
(延長の場合には一年当たり225百万円を上限とする)
d. 当社株式の取得方法 自己株式の処分による方法または取引所市場
(立会外取引を含む。)から取得する方法
e. a.の対象者に付与されるポイント総数の上限 1事業年度当たり210,000ポイント
f. ポイント付与基準
  • 役位および業績目標の達成度等に応じたポイントを付与。企業価値向上に資すると判断し、業績目標は、ROE、EBITDAマージン、GHG排出量削減率とする。
  • 親会社株主に帰属する当期純利益等が取締役会で定める一定の基準を満たさない場合には、ポイントは付与しない。
g. a.の対象者に対する当社株式の交付時期 原則として取締役の退任時
h. 信託内の当社株式の議決権行使 一律不行使
i. 信託内の当社株式の受取配当金 株式の取得、信託手数料等の支払に充当
(注)
  1. ポイント付与の算定に使用する指標の構成比率は、ROE:45%、EBITDAマージン:45%、GHG排出量削減率:10%としております。
  2. 当事業年度に係るポイント付与の算定に用いたROEおよびEBITDAマージンの目標値および実績値は以下のとおりです。(ROEは補助金収入(税引後金額1,730百万円)を除いて算出)
    指標 ROE EBITDAマージン
    目標値 10.0% 40.0%
    2023年度実績値 11.3% 34.0%

なお、当社の国内主要子会社の取締役社長ならびに当社の執行役員等に対しても、同様の株式報酬制度を導入しております。
当社の業績連動型株式報酬制度の詳細については、以下のプレスリリースをご参照ください。
役員に対する業績連動型株式報酬制度の導入に関するお知らせ

報酬決定のプロセス

取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等の額またはその算定方法については、代表取締役1名および独立社外取締役3名を構成員とする指名・報酬委員会における検討を経て、取締役会決議により決定します。指名・報酬委員会は、当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)および執行役員の報酬体系等に関して、取締役会から諮問を受けて、その適切性等について検討し、会社の業績等の評価も踏まえ、答申を行います。取締役会は、指名・報酬委員会の答申を受けて、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等の決定を行います。
2023年度においては、指名・報酬委員会での議論・検討を経て、2023年2月21日開催の取締役会において取締役(監査等委員である取締役を除く。)の業績連動型株式報酬を含めた報酬等の方針および決定方法を決議しました。それに従い、2023年6月28日、2023年12月27日開催の取締役会において半期ごとの業績見通しを踏まえた個別の額を決議しました。

最近事業年度に係る報酬の額(役員区分別開示)

2023年度における役員報酬の内容

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役員区分 人数 報酬等の種類別の総額
(百万円)
報酬等の総額
(百万円)
基準報酬 <うち
固定報酬>
業績連動型
金銭報酬
業績連動型
株式報酬
取締役(監査等委員である取締役を除く。)
(うち社外取締役)
5
(1)
216
(10)
<118>
<(10)>
103
(-)
103
(-)
423
(10)
監査等委員である取締役
(うち社外取締役)
5
(4)
76
(43)
<76>
<(43)>
-
(-)
-
(-)
76
(43)
合計
(うち社外取締役)
10
(5)
293
(54)
<194>
<(54)>
103
(-)
103
(-)
500
(54)
(注)
  1. 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の金銭報酬額は、2016年3月29日開催の第17期定時株主総会において、年額460百万円以内(うち社外取締役の報酬額は50百万円以内。但し、使用人分給与は含まない。)と決議いただいております。当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役を除く。)の員数は8名(うち社外取締役は2名)です。
  2. 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の金銭報酬額とは別枠で、業務執行取締役の業績連動型株式報酬額について、2023年3月29日開催の第24期定時株主総会において決議いただいております。2023年12月末日で終了する事業年度から2025年12月末日で終了する事業年度までの3事業年度の間に当社が当社株式を業務執行取締役に交付するために拠出する金額の上限は合計675百万円、業務執行取締役に付与されるポイント総数の上限は1事業年度当たり210,000ポイント(業務執行取締役に交付される当社株式は1ポイント当たり1株)です。当該定時株主総会終結時点の業務執行取締役の員数は4名です。
  3. 監査等委員である取締役の報酬限度額は、2016年3月29日開催の第17期定時株主総会において、年額110百万円以内と決議いただいております。当該定時株主総会終結時点の監査等委員である取締役の員数は6名(うち社外取締役は4名)です。
  4. 2023年度末日の人数は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)5名および監査等委員である取締役5名です。
  5. 親会社株主に帰属する当期純損失を計上した場合には、業務執行取締役の基準報酬は、役位ごとに設定された固定報酬の額まで、損失額に応じて段階的に減額されます。
  6. 上記の業績連動型株式報酬の額は、2023年度における費用計上額を記載しております。