健康経営への取り組み
健康への取り組み
SUMCOグループの健康に関する考え方
SUMCOグループでは、「従業員の安全と健康がすべてに優先する」との理念のもと、明るく活き活きと働きがいのある職場づくりを目指し、「SUMCOグループ健康宣言」を社内外に発表し、健康増進活動の各取組みを健康投資として戦略的に推進しています。
SUMCOグループ健康宣言
SUMCOグループは、従業員の健康を重要な経営資源の一つととらえ、個人の自発的な健康増進活動に対する支援と、組織的な取り組みの積極的な推進により、全員が活き活きと仕事をする企業グループを目指します。
健康推進体制
- 健康に関する会議体
定期的に開催される全社安全衛生委員会、全社健康委員会、健康推進会議により各拠点における活動状況や健康指標(KPI)の達成度など共有化したうえで、新たな施策の企画や改善活動に反映しています。これらの改善推進のためには専門家の知見が重要であるため、人事労政部健康推進課には全社産業医を中心に、SUMCOグループ各事業所の産業医、産業保健スタッフ等の専門職を配置し、当社グループ従業員の個別保健指導や面談、禁煙指導の実施のほか、ストレスチェックによる職場環境改善活動やメンタルヘルス研修などの健康経営活動を、健康保険組合や労働組合と連携を図りながら推進しています。
産業保健スタッフの配置
拠点 | 千歳工場 | JSQ事業部 | 米沢工場 | 東京・大阪 ・福岡 |
九州事業所 (伊万里 ・長浜) |
九州事業所 (伊万里 ・久原) |
九州事業所 (佐賀) |
SUMCO テクノロジー(野田) |
高純度 シリコン (四日市) |
SUMCO TECHXIV (長崎) |
SUMCO TECHXIV (宮崎) |
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産業保健 スタッフ |
1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 | 3 | 1 |
健康経営の取り組み
当社では、従業員の一人ひとりの健康のために、各種施策を全社横断的・計画的に推進しています。従業員の健康に対する取り組みが評価され、上場会社の中から経済産業省と東京証券取引所が協同で原則1業種1社、健康経営に優れた企業を選定する「健康経営銘柄2024」の認定を3年連続で受けました。また、SUMCOグループは、2019年以降6年連続で経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人2024 ホワイト500」の認定を受けています。
当社の健康管理の課題
当社では健康管理の課題として、特に「1. メンタルヘルス」、「2. 禁煙」、「3. 生活習慣病」 の3つに着目し、目標値を定めて中長期計画を作成し、活動を行っています。
1. メンタルヘルス
当社では従業員のメンタルヘルスを良好に保つことが、高い顧客要求に応え、生産性が高く、活き活きと仕事をするための職場環境の整備に繋がるものと考え、メンタルヘルス不調の一次予防の一環として、2003年より、労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の中で職場環境改善活動を運用し、評価を行っています。
また、職場環境改善については職場単位のストレス調査結果をもとに従業員一人ひとりが職場内で職場環境改善に向けた意見を出し合い、取組み項目を決定し活動しており、良好事例を社内HPに掲示しています。
主な取組み項目
- メンタルヘルス研修(階層別研修、e-learning)、カウンセラー等への相談体制
- ストレス調査に基づく職場環境改善活動
活動結果
- ストレス調査結果による職場環境改善
-
- ※1総合健康リスクはストレス調査から仕事のストレス判定図を使用し算出
- ※2ERI総合健康リスクは総合健康リスクと努力報酬比不均衡モデルを使用し算出
活動事例紹介
ストレス調査結果による、職場環境改善事例
SUMCOグループでは、ストレス調査の結果で負荷が高い分析結果が出た部署については、OSHMSの枠組みでそれぞれの部署による自発的な職場環境改善を行っています。改善活動の一例をご紹介しますと、時間外労働が多い状態が続いていた職場において、その職場のリーダーが、FTA (Fault Tree Analysis)を作成・実行して結果をレビューし、対策の有効性を評価した事例がありました。業務量と要員数の調整、従業員毎の業務の再配分を実施するとともに、労働時間短縮に向けた意識醸成を図るため、職場の掲示板への残業時間縮減に向けたメッセージの掲示や、定時退社日活用のモニタリング等の取り組みを行うことにより、各人の退社時間を早め、残業時間を縮減することに成功しました。またこのような取り組みと併せて、年休取得率をトレースして年休取得を励行するなど、SUMCOグループでは、従業員のワークライフバランスに配慮した取り組みを進めています。
主な取組み項目
- 職場環境改善活動
- ベストプラクティス賞の共有
- 国内関係会社を含めた職場環境改善表彰制度の全社展開
2. 禁煙推進活動
2020年1月に当社グループ全従業員を対象とした喫煙に関するアンケートを実施し、その結果より喫煙者の喫煙頻度や回数などの傾向分析を行い、それぞれの特性や年代も踏まえた禁煙教育や個別の保健指導を展開した結果、喫煙率は2018年の46.0%に対し、2023年は31.5%と6年間で14.5%減少しています。
また全国的な新型コロナウイルスの感染拡大に伴う対策として、当社敷地内喫煙所の閉鎖とあわせ、健康保険の制度も活用しつつ自己負担なく禁煙チャレンジができるよう、当社独自の支援策として禁煙外来治療や補助薬購入による補助金支給制度を完備することで、喫煙者が禁煙活動できる支援を行っております。
主な取組み項目
- 喫煙に関する全従業員アンケート結果による傾向分析
- 上記結果に基づく禁煙教育と個別保健指導による禁煙治療利用促進(会社補助による禁煙治療無料化)
- 禁煙補助剤購入補助
- 職場対抗禁煙チャレンジレース(全職場参加:九州事業所)
- 新型コロナ対策として敷地内喫煙所閉鎖を継続中
3. 生活習慣病対策、その他
定期健康診断分析の結果、30歳から40歳にかけてメタボリック症候群の従業員割合が増加することから、40歳前の従業員を対象に生活習慣の改善を目的とした健康教室や保健指導を実施しています。また、当社九州事業所(佐賀県)では、39歳の従業員を対象に外部の管理栄養士やスロージョギング協会等の協力を得ながら39歳健康教室を実施し、食事指導やスロージョギング®の実践を通じてその効果を検証することで、次年度の指導内容の改善につなげています。2023年は、39歳健康教室におけるスロージョギング®️導入後の3か月経過時の調査により、有意に運動習慣の改善が見られました。
運動習慣促進として、例えば当社九州事業所(佐賀県)の一例をご紹介しますと、佐賀県が開発したウォーキングアプリ「SAGATOCO」を利用したウォーキングラリーを実施しています。この取り組みにより、当社九州事業所は、2021年佐賀さいこう大賞(健康経営部門)を受賞しました。ウォーキングラリーでは、参加者の歩数分析による参加チームランキングなどの見える化も行い、2023年のウォーキング参加率は82.2%になりました。また、従業員の年齢構成の高度化に伴い、転倒やつまずき機会のリスクが増えることを想定し、福岡大学スポーツ科学部と共同で従業員の運動機能を評価し、SUMCO転倒防止体操を開発・社内展開しています。その他、女性従業員の健康確保対策として、全女性従業員を対象としたアンケートを行い、ニーズを把握しながら健康教室やエクオール検査の無料実施、がん検診の会社補助制度などの施策を行っています。
主な取組み項目
- 39歳健康教室:参加率100% (食事教室:100%、運動教室:100%)
- ウォーキング活動:参加率82.2%
- 食生活改善:参加率98%
- 定期健康診断:受診率100%
- 定期健康診断後の個別保健指導(血圧、血糖値の改善指導含む)
- SUMCO転倒防止体操:実施率84.7%
- エクオール無料検査(希望者)
- がん検診会社補助制度
- 女性を対象とした健康教育(三か年計画):
・2022年は全女性従業員を対象に実施 参加率99.8%
・2023年は40歳未満を対象に実施 参加率:90.0%
・2024年は40歳以上を対象に実施予定
4. メンタルヘルス、禁煙、生活習慣の各課題実績と中期目標
評価項目 | 2018年 実績 |
2019年 実績 |
2020年 実績 |
2021年 実績 |
2022年 実績 |
2023年 実績 |
中期 目標値 (2025年) |
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喫煙率 | 40.6% | 38.2% | 36.6% | 31.9% | 31.9% | 31.5% | 20.0% |
メタボ従業員割合 | 26.3% | 26.9% | 28.6% | 29.4% | 29.9% | 28.8% | 25.0% |
30分以上の運動習慣割合 | 24.2% | 25.4% | 28.4% | 27.6% | 29.0% | 29.6% | 35.0% |
睡眠で休養がとれていない割合 | 38.9% | 32.6% | 31.7% | 33.5% | 33.7% | 33.1% | 24.0% |
5. その他健康指標の実績
評価項目 | 2020年 実績 |
2021年 実績 |
2022年 実績 |
2023年 実績 |
---|---|---|---|---|
適正体重維持者 | 65.1% | 63.9% | 63.9% | 64.4% |
血圧リスク者率 | 0.8% | 0.7% | 0.9% | 0.8% |
血糖リスク者率 | 0.7% | 0.6% | 0.6% | 0.7% |
当社健康経営の総合的な指標と各取組みの戦略マップへの展開
当社では健康経営に取組むことで、健康戦略マップの最終目標に掲げている、活き活きとした人材確保により高い創造性を作り出すこと、また、不健康や傷病による生産性に影響を及ぼす機会を防ぐという課題解決につながると考えております。そのため、これらの状況を可視化するため総合的な指標を数値化し、各取組みを健康投資として戦略的に体系立てて成果を得られるよう戦略マップへ展開することで、毎年の評価を実施し、以降の必要な対策に繋げています。
総合的な指標
- プレゼンティーズム(健康・体調面不具合の出勤時生産性下)
- アブセンティーズム(健康・体調面不具合の欠勤)
- ワークエンゲージメント(仕事に対するポジティブな心理状態)、働きがい・仕事満足度
【生産性低下の指標】
【活き活き度の指標】
- SUMCO健康経営戦略マップ概要
-
活動結果
- 活動結果1. プレゼンティーズムとアブセンティーズム(従業員アンケート調査より)
-
- ※1プレゼンティーズム:過去12か月の間に休みを取ったほうが良い健康状態のまま、仕事に来たと回答した従業員の平均日数
- ※2アブセンティーズム:過去12か月の間に病気や健康上の理由で、休んだと回答した従業員の平均日数(年休も含む)
- ※32025年度末までの目標 プレゼンティーズム3.5日 アブセンティーズム4.0日
- 活動結果2. ワークエンゲージメント(従業員アンケート調査より)
-
- ※1ワークエンゲージメント:仕事に関する9項目の従業員アンケート(0~6点の7段階評価)の平均点
- ※22025年度末までの目標 2.75%
- 活動結果3. 仕事の満足度・働きがい(従業員アンケート調査より)
-
- ※1仕事の満足度:仕事に満足だ「満足」、「まあ満足」と回答した従業員割合
- ※2働きがい:働きがいのある仕事だ「そうだ」、「まあそうだ」と回答した従業員割合
- ※32025年度までの目標 仕事の満足度68% 働きがい68%
- 高ストレス率の低下(ストレスチェックより)
-
- ※1高ストレス率=該当数/受検数
- ※22025年度までの目標 10.0%
ストレスチェックの受検数と受検率
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|
受検数 | 5,984名 | 6,478名 | 6,936名 |
受検率 | 98.6% | 97.3% | 98.0% |
SUMCO健康投資管理会計について
全社産業医 彌冨 美奈子
2021年を試験期間として2022年より本格的にSUMCO健康投資管理会計に取り組んでいます。健康経営戦略マップを基に各健康投資施策に対する投資額とその効果を検証していくことで、スタッフが知恵を絞ってより効果的な施策へと改善を行うことが定着してきました。フローを回していくことで、特に従業員参加型の職場環境改善が根付き、ストレス調査や最終指標として掲げる項目へのプラスの影響を与え、人的健康資源として年々蓄積されています。2024年は、禁煙支援策、新設のがん検診補助制度の利用促進及び健康保険組合と連携したメタボリック症候群対策を推進する予定です。