人財の育成・活用
人財の育成
SUMCOビジョンに掲げた「技術で世界一の会社」を目指し、新入社員から管理職・役員に至るまで、多角的なアプローチで研修の機会を提供しています。時代の変化に即して、常に社員に気づきを促し、自ら主体的に物事を考え行動できる人財の育成に努めており、毎年、経営幹部出席のもと、若手技術者の研究成果発表会を開催し、技術者のモチベーション向上にも努めています。更に国内大学の社会人博士課程に毎年一定数のエンジニアを派遣し、専門性の高い技術人財を育成しています。
また、SUMCOビジョンに掲げる「従業員が活き活きとした利益マインドの高い会社」を目指し、社員の参加意識を高める施策として、SUMCOグループ最高位の賞として「SUMCO CEO AWARD」を設け、企業価値向上に特に貢献した人・組織を毎年表彰しているほか、「TPM発表会」を毎年開催し、成果発表の機会を設けるとともに、優れた成果を表彰しています。
さらに、SUMCOビジョンに掲げる「海外市場に強い会社」の実現のため、グループ内に多様な文化・価値観を理解・尊重する意識を醸成するとともに、海外の大学への留学制度の拡充や語学教育の強化等を通じてグローバルに活躍できる人財の育成に努めています。なお、2023年に人事部門で主催している全社教育の延べ受講時間数は28,602時間でした。
こういった研修プログラムは定期的に社内ニーズを調査、ニーズに即した改訂を行うばかりでなく、研修・教育の経験豊富な社外取締役から頂いた多くの提言を取入れ、より良いものを目指しております。
キャリア形成プログラム
- Voice
-
結晶技術部 伊万里結晶技術課
太田 淳Q.太田さんは台湾の国立陽明交通大学で2年間、研究生活を送りました。海外派遣に応募したきっかけを教えてください。
きっかけは、上司から直接「行ってみないか」と声をかけていただいたことです。海外派遣が募集されていることは知っていましたが、私は語学が得意ではありませんでしたし、今の業務を離れることへの不安もあり、当初は応募に消極的でした。しかし、上司の言葉で、私も挑戦してよいのだと前向きな気持ちに変わりました。派遣期間は、当時私が手掛けていた新しいプロセスがついに量産段階へ進む時期とも重なっており、それを見届けたい気持ちもありましたが、やはり海外派遣は貴重なチャンスだという思いが強く、応募を決意しました。まさか海外の大学で研究生活を送るとは、今でも信じられないような感覚もあるほど私にとっては大きなチャレンジでしたが、あの時決断して本当に良かったと今も思っています。
Q.海外の大学での研究生活を振り返ってみて、いかがでしたか?日本の大学との違いがありましたか?
日本よりも自立が求められる環境でした。研究の進捗確認や論文指導は教授が行いますが、実験に関わることはすべて学生に一任されており、データの取得や解析だけでなく装置トラブルなども学生が対応することに驚きました。また、研究室は留学生も多いため、会話はほとんど英語です。覚悟していたつもりでも、言葉の壁は想像以上に高く感じました。派遣された当初は、自分の意見を正しく表現できないことや、逆に相手の意図を正しく汲み取れないことに、もどかしい気持ちになることが多くありました。特に、論文などの文章を書く際は、論理的にかつ誤解の無いよう意味の通じる文章を考えることに非常に苦労しました。しかしそのおかげか、国際会議で発表をした際に優秀賞を貰えた時は、努力が報われたようで嬉しく感じました。
また、私が通っていた国立陽明交通大学は、台湾のシリコンバレーとも呼ばれている新竹市にキャンパスを構えていました。大学の周囲には、有名な半導体企業や国立の半導体研究所などもあり、在学中にその施設内でデバイス試料製作や測定をしたことは、貴重な経験となりました。Q.海外での日常生活の中で、戸惑ったことや印象に残ったことはありましたか?
台湾に行って驚いたことは、家族間のつながりが強いことです。学生も毎週のように実家に帰ったり、家族と食事をとるために自宅に帰ったりしていました。国土が小さく、行き来がしやすいのも理由のひとつだと思います。
日常生活で印象に残っていることは、派遣されたばかりの頃、タクシーで運転手に伝えた目的地とは全く違う場所に着いてしまったことです。運転手にスマートフォンの画面を見せるなどして説明し、時間はかかりましたが無事に目的地に着くことができました。海外で生活していると、このような思いもよらぬトラブルはたくさん起きますが、案外なんとかなることを身をもって経験しました。私はもともと心配性でしたが、あまり心配し過ぎずに何事にも積極的に挑戦してみようと思うようになりました。Q.海外派遣で学んだことを、どのように活かしてきましたか?
研究室では、機械学習をメインに学びました。この分野は、今までに学んだことがなく、新しい分野を外国語で学ぶことは非常に苦労しましたが、テキストだけでなく、動画サイトを活用するなどして、知識を深めていきました。その結果、現在の業務で、結晶成長工程の品質改善に機械学習を活用するという手法に携わっており、研究室時代の経験が活きています。
会社も日本も飛び出して、海外で研究活動をしながら生活をすることは、楽しいこともあれば辛いこともありました。そのような中、特に大事だと感じたことは「従来の環境との“差”を楽しむ」ということです。日本と台湾、会社と大学、同僚と学生など、つい“優劣”で考えてしまいがちですが、そうではなく“差”として捉えてみると、新しい環境でも受け入れやすくなりました。台湾での生活で、いろいろな人脈ができましたし、研究室の学生や、新竹市で出会った方々と今でも交流ができることは、日本にいるだけでは得られない経験だと思います。
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
持続的に成長できる強い企業になるためには、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進が不可欠です。当社は三菱・住友・コマツと3つのルーツを持つことから、各々の知見を持ち寄って活用することができる土壌が育まれています。これに加え、女性活躍推進策の拡充や、国内・海外の各拠点での現地採用・他社での勤務経験を持つ社会人採用など様々な人財を獲得できる制度の拡充などを通じて、多様な人財がそれぞれの考え方や経験を活かした企業価値のさらなる向上を図っています。引き続き、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの取り組みを積極的に推し進め、ステークホルダーの要請に応えていきたいと思っています。
女性活躍の推進
当社では、子育て中の従業員により働きやすい職場環境を提供し、仕事と育児の両立を支援するため、法定よりも長い育児休暇期間の設定や、在宅勤務制度、多様な短時間勤務制度など、多様な就業支援制度を整備するなど、女性が働きやすい環境づくりに注力しており、その一環として、2016年から当社グループ最大の拠点である九州事業所伊万里地区に、事業所内保育所として「SUMCOいまり保育園」を設置しています。また「SUMCOいまり保育園」を利用できない従業員に対しては、保育費用を補助するための手当てとして、「託児支援手当」を支給しています。
また、育児等のためにやむを得ず一時的に退職を余儀なくされる従業員に対して、再度の復職を認める「退職者カムバック制度」を設けるなど、働く女性従業員のための支援を強化しました。今後も更に社内の多様性を高め、女性の活躍を一層推進していくために、2030年までに女性管理職比率を当社単体10%※、連結12%まで引き上げる中期的目標を掲げ、女性従業員の定期・経験者採用を積極的に推進しています。
SUMCOいまり保育園は、新たな地域貢献の形として、「子ども・子育て支援新制度」に基づく地域型保育事業としての側面を有しており、定員の一部を地域枠として設定し、社外にも開放しています。
各ライフイベントにおける支援制度
制度 | 施策名 | 内容 |
---|---|---|
育児支援 | 育児休業 | 3才に達するまで取得可能 |
出生時育児休業 | 父親が子の出生後8週間以内に4週間まで、2回に分割して取得可能 | |
育児短時間勤務 | 中学校入学まで、1日あたり4時間勤務または6時間勤務のいずれかを選択可能 | |
時差出勤勤務 | 中学校入学まで、1日7時間45分の所定労働時間はそのままに、数種類のパターンから自由に選択可能 | |
在宅勤務制度 | 業務上在宅勤務可能な部門・職種の社員は、対象者の事情を勘案した上で最長中学校入学まで、在宅での勤務が選択可能 | |
特別福祉休暇 | 中学校入学まで、法律で定める看護休暇に加え、看護が必要な場合については必要日数分の休暇取得が可能(有給) | |
SUMCOいまり保育園 | 事業所内保育所として、通園可能な社員の子どもを保育 | |
託児支援手当 | SUMCOいまり保育園利用不可の地域に勤務する社員に対して、子どもが3才に達するまで、月1万~2万円を保育補助 | |
介護支援 | 介護休業 | 家族の介護のため、通算1年を上限に3回まで分割取得可能 |
介護短時間勤務 | 1日あたり4時間勤務または6時間勤務のいずれかを選択可能(最大3年間、分割取得も可能) | |
時差出勤勤務 | 1日7時間45分の所定労働時間はそのままに、数種類のパターンから自由に選択可能(最大3年間、分割取得も可能) | |
特別福祉休暇 | 法律で定める介護休暇に加え、介護が必要な場合については必要日数分の休暇取得が可能(有給) | |
在宅勤務制度 | 業務上在宅勤務可能な部門・職種の社員は、対象者の事情を勘案した上で在宅での勤務が選択可能 | |
その他支援 | 配偶者出産時の特別休暇 | 配偶者の出産時に、出産日前後10日以内に通算3日(有給) |
退職者カムバック制度 | 育児や介護などの理由でやむを得ず退職した社員が復帰を希望する場合は、一定の手続きを経て再入社可能 |
また、PT.SUMCO Indonesiaでは、従業員の子女に対し奨学金プログラムを提供しております。本奨学金により、インドネシアの将来の発展に貢献できるよう願っております。
(下記写真:PT.SUMCO Indonesiaでの奨学金プログラムでのイベントの模様)
障がい者雇用
- 障がい者雇用率の推移 SUMCOグループ(国内)
-
- ※各年度のデータは当年1月~12月の平均
SUMCOグループでは、日本国内に障がい者雇用を目的とした特例子会社を設立するなど、障がいをもった方の雇用に積極的に取り組んでおります。2023年における国内外合わせての障がい者雇用率は1.54%、国内においては法定雇用率2.3%に対して実雇用率は2.12%です。
増産対応のための人材確保により総従業員数が増加していることから、相対的に障がい者の雇用率が減少しておりますが、雇用率上昇に向けグループ全体で障がい者採用を推進しています。
高齢者の雇用
満60歳の定年を迎えた従業員が豊富な経験や高度なスキル・技能を活かして働き続けられるよう、定年退職後も引き続き勤務することを希望した方を全員、最長65歳到達まで雇用する再雇用制度を設けています。
また一般職については再雇用後も定年時の処遇を維持することで、定年後も高い意欲をもって活躍できる制度としています。
グローバル人財の活用
SUMCOグループは、アメリカ・台湾・インドネシアに製造拠点を持つほか、世界各地に販売拠点を持っています。
SUMCOグループでは、現地雇用を活用し国籍を問わず優秀なグローバル人財を積極的に採用してゆくことで、グローバルカンパニーとしてさらなる成長を目指しています。
- 従業員数
-
(名) 項目 2023年末実績 連結 単体※ 社員 総人数 9,847 4,858 男性 8,861 4,426 女性 986 432 女性比率 10.0% 8.9% 管理職 総人数 919 567 男性 850 558 女性 69 9 女性比率 7.5% 1.6% 項目 単体 備考 取締役 総人数 12 2024年3月末時点 男性 10 女性 2 女性比率 16.7% 新入社員 総人数 127 2023年度 男性 94 女性 33 女性比率 26.0% 平均勤続年数(年) 男性 14.5 2023年12月末時点 女性 11.1 差異 3.4 - ※SUMCOから他社への出向者を含め、他社からSUMCOへの出向者を除く
項目 社員
(2023年末)臨時従業員(2023年平均) 単体 4,938 620 連結 9,847 1,113 国内 7,263 海外 2,584
- 地域別従業員数(連結)
-
(名) 地域名 人員
(2023年末)日本 7,263 北米 725 東南アジア 329 東アジア 1,503 欧州 27 合計 9,847
- 従業員数の内訳(連結)
-
(名) 管理職 一般社員 合計
(2023年末)男性 850 8,011 8,861 女性 69 917 986 合計 919 8,928 9,847
2023年実績データ
ハラスメント相談件数 | 18件 | |
---|---|---|
管理者対象のハラスメント研修受講者数 | 1,150名 | |
正社員の自己都合離職率(過去離職率推移は下表) | 1.21% | |
人財開発 | 人事部門が主催する全社教育の延べ時間 | 28,602時間 |
上記教育に要した費用 | 175百万円 | |
上記教育に参加した従業員の割合 | 35.6% | |
従業員一人あたりの教育時間 | 5.9時間 | |
障がい者雇用率 | 国内外合計 | 1.54% |
日本国内のみ | 2.12% |
- 正社員の自己都合離職率推移
-
この表は横にスクロールしてご覧いただけます。
2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 自己都合離職率 0.83% 0.77% 0.85% 0.91% 1.21% 男性 0.73% 0.70% 0.76% 0.88% 1.12% 女性 2.08% 1.60% 1.88% 1.23% 2.21%